NO.6株式会社ビジネスサポートOJT 樫森俊哉さん

今年度第6回目になる事業所インタビューをさせていただいたのは、半田市と常滑市そして東京都渋谷区にも事業所をお持ちの「株式会社ビジネスサポートOJT」代表取締役の樫森俊哉さんです。

「株式会社ビジネスサポートOJT」と言う社名から、どの様な事業内容をされているのか想像してみてください。私自身、最初に社名をお聞きした時、お恥ずかしながら、人材派遣のようなお仕事をされているのかと想像してしまいました。しかし、実際は、地産地消、循環経済、さらに世界中で関心を持たれているSDGsに基づいたお仕事をされている樫森さんでした。

それでは、「株式会社ビジネスサポートOJT」のお仕事内容を樫森さんにお話しいただいたのでご紹介いたしましょう。

普段どのようなお仕事をされているのでしょうか?

みなさんご存知のとおり、私たちが住んでいる知多半島は、山や海など豊かな自然に囲まれ、農業、畜産業がとても盛んな地域です。その農業に欠かせない肥料や、家畜の餌となる飼料を主に作っている事業所さんです。それも化学肥料などを使わずに有機肥料や有機飼料を生産されています。最近ではオーガニック野菜とかよく耳にしますよね。オーガニック野菜やオーガニックワインにこの有機肥料は欠かせません。

これだけでも環境に優しそうですが、肥料や飼料の素になるものは三重県名産の牡蠣の廃棄される殻や、スペイン料理で有名なパエリアに使われるムラサキイガイ(ムール貝)の貝殻です。

三重県の牡蠣小屋などで出る大量の殻は、牡蠣小屋の方も処分に悩んでおり、また発電所などの放水路に発生するムラサキイガイは発電所にとっては大問題。毎年採らないと排水に支障が出て、発電困難になり結果的に私たちの生活にも大きな影響が出てきます。

ムラサキイガイを排水路から採った後も埋めたてや、焼却などの処分方法もありますが、それではゴミになってしまいます。そこで、「株式会社ビジネスサポートOJT」は電力会社やガス会社の発電所から発生するムラサキイガイを業者さんと協力して、収集し、洗浄、不純物除去、焼却、サイズ調整を行い、肥料や飼料を生産出荷されています。

様々な場所から貝殻が集められる①
様々な場所から貝殻が集められる②
手選別での不純物除去作業
取り除かれた不純物
株式会社ビジネスサポートOJT 事業内容

限りある資源を無駄にせず、再利用。問題点を解決、更にそこから利益を生み出す。素晴らしいアイデアですね。まさにSGDsです。このムラサキイガイを再利用したビジネスモデルには愛知県から愛知県環境賞の優秀賞を送られています。すごいですね。また、樫森さんは同じ肥料でも若い人にも手に取ってもらいやすいように若者用向けにパッケージを変えたりと様々な事もお考えになっており、とても、勉強になりました。

樫森さんのお仕事はこれだけではなく、サイロ清掃事業にも携わっておられます。サイロとは、輸入したとうもろこしなどの穀類や石灰、セメントなど貯蔵する大きな構築物ものです。これを数社の企業さんと協力し、清掃ロボットを開発、全国的に清掃事業をやっておられます。サイロ内清掃やサイロ内の詰まりを直したりする作業は危険を伴うことも少なくありません。清掃ロボットを使用する事により従業員の命、安全を守る新しいやり方でアプローチされています。

ご本人も言われる様にニッチな分野で活躍されている「株式会社ビジネスサポートOJT」は、どの様にして今の形となったかもお話しいただけました。樫森さんの義理の祖父である先代が手掛けていた様々なコンサル業や管理業などの中で、お客様から困りごとの相談を受けたり、問題解決のお手伝いを一緒にされている中で形にされていったそうです。もちろん、先代のアイデアや先見の明もあったでしょう。しかし、お客様達から困った事を相談されると言うのは、誠実に仕事をされ、コミュニケーションを密に取り、とてもいい関係性を築かれていたからではないでしょうか。お客様に困っている事を相談されることは、商売人として、とても嬉しい事だと思います。それは、お客様に信頼されている証です。

今現在からこの先へ

そして、樫森さんも更に大きくなったビジネスの輪の中で、多くのクライアントと密にコミュニケーションを取る事をとても大切にされています。コロナウイルス蔓延により以前の様にはコミュニケーションを取るのが難しい時代ですが、樫森さんは未来を見据え、着々と準備しながら先へと歩んでおられます。今後、以前の様に人との交流が自由になれば、この様な事をやっている会社がある事をより多くの人々に知ってもらう機会を増やす活動ができればとおっしゃっていました

インタビューを終えて

樫森さんのお仕事ではお客様と共に新しい道を築き、私たちの生きている地球環境に与えている負荷と向かい合い、更にここから何ができるのかを日々邁進されています。

さて、この記事を読んでいただいた皆様、「株式会社ビジネスサポートOJT」と言う社名をお聞きして今一度、どの様な会社を想像されますか。

ほぼ毎日テレビなどのメディアで見聞きするSDGsと言う言葉。聞いたことはあるが、どうも自分の身近なものとして認識していないところもありました。どこか遠くで大きな有名な会社が取り組むことと思っている節もありました。しかし、自分の住んでいる街に「株式会社ビジネスサポートOJT」さながらSDGsに真摯に取り組んでおられる素晴らしい事業所さんがある事を知り、SDGsは遠い離れたところではなく、私たちの身の回りでも取り組まれている身近な事だと認識しました。この認識を私たち世代だけでなく、次の世代や子供世代にどんどん伝えていこうと思います。今回の様に私たちの周りには、まだあまり知られていない素晴らしい事業所さんがたくさんあると思います。広報委員会として、これからどんどん素晴らしい事業所さんを紹介していくので、みなさん楽しみにしていて下さい。

最後に、お忙しい中、現場を自ら案内してくださった樫森俊哉さん、ありがとうございました。

取材の様子

株式会社ビジネスサポートOJT
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TEL 0569-89-7080
WEB https://shell-ojt.co.jp/

制作/著作  半田商工会議所青年部 広報委員会
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