File No.8 有限会社はなふく 森下達夫 さん

flower

インタビュアー/記事:杉浦正明(MSSソリューションズ株式会社)

「そんな貴方の笑顔を咲かせたい。」

お花を通じて、熱心に人々に幸せと笑顔を届け続ける1人の青年部メンバーがいる。
今年の4/19に「DO LIVING ISSEIDO 本店」内に移転オープンされた「有限会社はなふく」の「森下達夫」さんだ。

フラワーショップというのは、実に予定を立てるのが難しい。その理由は後述の紹介で明らかとさせて頂くが、そんな調整の立てにくい中、今回は定休日の所をお時間頂く形で事業所へ取材を伺う事ができた。

小売業である「フラワーショップHANAFUKU」と、運営本体である「有限会社 はなふく」。
そこにはどんな創業の歴史や、経営者の想いがあるのだろうか。順に伝えて行きたいと思う。

法人化して21期目。創業は実に60年前
杉浦:早速ですが、「有限会社はなふく」 さんの歴史についてお聞かせ下さい。
森下:はい。有限会社はなふくは、現、代表取締役である私の父が法人化し、ちょうど先日20期目を終えました。実際には、野立て看板やラッピングカーにも書かせて頂いていますが「SINCE1979」。僕が生まれる前の1979年に、成岩駅直ぐの「フラワーショップはなふく」という店を祖母が構えました。

杉浦:移転される前のお店の事ですね。当時はお店を始められるにあたってはどのような成り立ちがあったのでしょうか?
森下:はい。朝市ってご存知ですか?いたる所で、3・8(サンパチ)とか2・7(ニイヒチ)とか。

杉浦:はい、私もたまに朝市には寄らせて頂いてますよ。新鮮な野菜や果物が買えるんですよね。
森下:そうです。実はお店を構える前は、私の祖母の更にお母さんが、その朝市へ野菜と一緒に、
リアカーを引きながらお花(仏花や墓花)の移動販売を始めたのが創業の成り立ちなんです。一応60年前頃から、お花を扱っていたんじゃないかなって感じです。

杉浦:なるほど、代々お花を扱われていらっしゃるんですね。ちなみに法人化されてから20期目を終えられたという事ですが、事業内容は具体的にはどのような内容なのでしょうか。
森下:はい、小売業としてもさせて頂いておりますが、運営会社である本体の「有限会社はなふく」の事業展開としては、冠婚葬祭業の、「葬儀花」ですとか「業販」と言われる法人様向け定期装花ですとか、卸業などです。小売りとはまた別で、業務系の仕事が主になってきますね。

自分の手で人を喜ばせたい
杉浦:そうなんですね。ところで、森下さんが、花屋なられた切欠は何だったのでしょうか?
森下:父親の背中を見て育って、大人になっていくに連れて、やっぱり父親みたいになりたいなあとか、家族愛とか、父親を超えてやろうとか。まあそういう気持ちも強かったですし、やっぱりその「お花で心を動かしたい」と言ったらちょっと大げさなんですけど、お花を通じて『幸せ』や『感動』を伝えていけたらなぁ…という気持ちは、自分の中で芽生えてましたね。
杉浦:素敵なお父様なんですね。その中で気持ちが生まれ育つ、とってもすばらしい家族ですね。
森下:(笑)。実は将来の夢というか子供のころから、演出したり、コーディネートする事にとても興味がありました。割と「感性」で人を喜ばせたいという思いが中学生頃からありましたが、切欠は・・・洋服が好きで、お洒落がしたいとか、そんな軽い気持ちからでした。だからどうせやるんだったら、サラリーマンとかじゃなくて「自分の手で人を喜ばせたいなぁ」という気持ちは、はじめからありました。

杉浦:なるほどなるほど。因みに花屋さんになるにあたって、修行的なプロセスはどのような流れがあったのでしょうか。
森下:はい、花屋といっても色々な分野があるんですね。葬儀が主だったり、ブライダルが主だったり、量販店さんの様な花屋さんもあります。そんな分野がある中で父は葬儀を主軸にやっていた会社でしたので、当たり前の様に葬儀の手伝いをしていました。葬儀花に関わる環境だったので「どうしてもそれ以外の環境を見たくなってしまった」と流れもあって、実家を手伝いながら専門学院と呼ばれる専門学校でフラワーアレンジメントの基礎の勉強と、カラーコディネーターの資格を取得しました。それから、学校には「美術・制作」みたいな専科があり、いわゆるアートの感性を養う専科に働きながら通って、その後に上京しました。

杉浦:働きながらとは大変ですね。ところで上京は「お花屋さん」という事なんでしょうか?
森下:はい。ただ上京での勤め先は、自分の感覚に近いお店や、こんなお店で働きたいなという場所を、自分で歩いて探し回ったので苦労しました。
杉浦:たくましい限りですね(笑)
森下:その頃は勢いですかね(笑)。行先は恵比寿の広尾という、東京の中でも超高級住宅街にあるお店と、新宿の神楽坂にあるお店の2か所で、花屋として関わるテレビのお仕事など色々と、3年間勉強させて頂きました。

周りの商店さんと連携しながらお花を広める事が現実的にできる場所
杉浦:ところで、今年の4/19に「DO LIVING ISSEIDO本店」内に移転オープンされた訳ですが、今後の新しい店舗への想いをお聞かせ頂けませんか。
森下:はい。成岩駅は祖母の立ち上げた親しみ・愛着ある店舗でしたので、悩み悩んで、もう本当に苦渋の決断だったんです。ですけど「新しい物を発信していきたい、常に挑戦して行きたい」という考えの中で、半田市の中で言えば「ブランド力のある良い立地」という所でこの北二ツ坂を選びました。「DO LIVING ISSEIDO」さんというインテリアショップさんのお隣という所も、「花とインテリア」&「生活の中に親しむお花」というイメージがし易いという事もそうですし、北二ツ坂通りの土地感、ブランド力というのを最大限に活用しながら、周りの商店さんと連携しながらお花を広めていくという事が現実的にできる場所なのかなって。そう考えてこちらに引っ越して来ました。

新しいお花だけが良いものではない
杉浦:色々な思いがあるのですね、因みに新しい店舗には素敵なお花が並んでいますが、これだけ数多いお花ですと普段から気をつけておられる点や、レイアウトなどにも色々とあるのではありませんか?
森下:はい、例えば、お花の鮮度・品質を保とうとすると、温度管理がなされるフラワーショーキーパー、いわゆる冷蔵庫を一般的には想像しがちですが、温度管理がなされている分、夏場ですと外に出したとたんに花が急に咲いてしまうなんていう状況があるんですね。なので、温度差の発生しない常温管理は必ずしも悪いという事ではないんです。そのかわり常温管理ではお花が悪くならないように、いくつか気を使ってあげる点がありますけどね。

杉浦:そうなんですね。ちなみに気をつかってあげる点とは具体的にはどんな点なのですか?
森下:例えば常温は、温度が高い事でお水が腐り易いんですね。その為、お花の茎が劣化し易い。更には、その劣化がお水を吸い上げる力を弱くしてしまう。そういった事でお花が元気でなくなってしまう要因があるんです。原因の連鎖みたいな。しかし、お店に出す以上、やっぱり良いお花を提供したい訳じゃないですか。そういった「商品の状態を見る」という事は徹底していますね。茎の切り戻しなどで、お花が全然元気になります。必ずしも新しいお花だけが良い状態とかそういう事では無くて、お花の生命には植物毎に個体差もありますし、お花の品種によっても色々あるので、その良い状態でお客様に提供するというのは必須ですね。

杉浦:なるほど、数多いお花だけに、切り戻し作業などの、見えない部分の品質管理のお手間のご苦労されているんですね。
森下:そうなんです。少しずつ手を加えて良い状態を保つという事は大切ですし、それがお花の品質にもなってくるのかなという気がしますね。

需要と供給
杉浦:ところで花屋ならではの苦労話みたいなのはありますか?
森下:「需要と供給」って意味で言いますと、シーズンになると凄い注文が殺到するんです。本当に手が回らない程のオーダーを頂く事がありまして(笑)。それが母の日ですとか、3月の卒業シーズンの送別や歓迎会などでして。とんでもない数のオーダーをご注文頂けるんです。お葬式などもそうですが、「社葬」とか「お別れ会」とかにとんでもない規模の仕事が時折あるんですけど、もうそれで夜な夜な徹夜コースとかもありますので、自分達の予定が立てれないというのが苦労する点ですかね。ギフト系の商品に関しては世間の経済的な流れですけど、特に葬儀のお仕事に携わってますと急なものですから。世間では花屋さん楽でしょうみたいに思われるんですけど、実は右へ左へと、日々大変な思いをしながら、頑張ってます(笑)

杉浦:ではご家族でご旅行ともなると、なかなかご予定を立てられるのは難しいそうですね?
森下:はい、もう旅行なんてなかなか行けないですよ(笑)

「人生」
杉浦:そろそろ取材の方も終盤近くなってまいりましたが、はなふくさんにとって「花屋」とは一言に例えるなら何でしょうか?
森下:花屋とは『人生』ですね…人の「節目」には必ずお花があります。全ての特別な日には、必ず『お花』がありますから。
杉浦:なるほど、とっても心に響きますね、素晴らしいと思います(笑)。
森下:そんな貴方の笑顔を咲かせたいです(笑)

メッセージ
杉浦:今回は、商工会議所青年部メンバーさんの事業所紹介という事で、総務・広報委員会として取材とさせて頂きましたが、青年部に入会して良かった事、記憶に残っている事業、今後の目標などについて教えて下さい。
森下:良かった事は、普段、絶対知り合えない人とも、いろんな話をさせてもらって、人との交流の輪をひろげる事ができた事ですね。これからも是非そうしていきたいです。また、記憶に残っている事業は、右も左もわからずに受けた、初めて自分が委員長として携わせてもらった、産業まつりの事業ですね、あと今後の目標は、今後も楽しく青年部活動を続ける事です!
杉浦:ありがとうございます。では最後になりますが、このホームページの記事をご閲覧頂いた、青年部の皆さんと、一般の方々へのメッセージをお願い致します。
森下:はい。青年部の皆さん、今後も楽しく青年部活動を一緒にやって行きましょう!
そして一般の皆さん、是非、はなふく(HANAFUKU)に遊びに来て下さい!
杉浦:ありがとうございます。では有限会社はなふくの森下達夫さん、本日はお忙しい中を取材に応じて下さり、本当にありがとうございました。
森下:ありがとうございました。


HANAFUKU
https://sasa-flower.jp/
半田市北二ツ坂町1-10-10
TEL:0569-23-2972 FAX:0569-24-3129
営業時間:9:00~19:00
定休日:月曜日 祝日営業 駐車場有り


制作/著作  半田商工会議所青年部 総務・広報委員会
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