インタビュアー:山北恵介(山北新聞店)
今回は半田商工会議所青年部の山北が同青年部のメンバーである榊原慎吾さんの事業所「榊原石油 ニュー半田SS」をご紹介させて頂きます。
山北:本日は宜しくお願いします。
慎吾:宜しくお願いします。
山北:お忙しい所お伺いしまして申し訳ありません。
慎吾:いえいえ、宜しくお願いします。
事業所内にお客様と思しき車両が1台進入。奥様が応対。
山北:ホントにすみません。
取材スタート!
山北:早速ですが本題に移りたいと思います。創業はいつでしょうか?
慎吾:昭和38年に創業しました。創業してからもう50年以上になります。もともとは祖父が愛知トヨタ自動車株式会社に勤めており、自動車関係の知識があることと、同期の方々の紹介でガソリンスタンドを始めたことがきっかけになったと聞いています。私は3代目にあたりまして、20歳の頃から自社で仕事をしています。
山北:スタッフの方は何名程ですか?
慎吾:家族で経営を行っていますので、私・妻・両親の4名です。
山北:私も妻を社員として迎え、一緒に仕事をしているのですが、そうした生活の中で何か配慮している部分はありますか?
慎吾:店舗に一人にさせないように配慮しています。この業界の特性上、どうしても力仕事が必要な場面が多くなってしまうので。
山北:僕も見習わなくてはいけない部分だと思います。「家族経営」だからこその強みや弱みを実感する時はありますか?
慎吾:家族だからこそ、自社の経営に関しては全員真剣です。自分たちの生活に直接関わっていくわけですから。それと、従業員を雇用している方々は感じる場面もあると思うのですが、人間の表裏の部分、例えば人間関係の構築やモチベーションの維持という点から解放されているということも強みだと思います。弱みを挙げるとすれば、当たり前なのですが、日々の業務における負担が大きくなることですね。
山北:単純な好奇心なのですが、洗車機っていくらくらいするものなのでしょうか?
慎吾:自社に置いてあるもので400万円程度です。耐用年数としては10年もつものでは無いですね。この洗車機は買い取りで、私自身でも簡単なメンテナンスは行えるのですが、不調の際にはメーカーに連絡しメンテナンスをしてもらいます。内部にセンサーが多く使われているので、下手に触ってしまうと故障の原因になり得ます。保守契約は入っていないのでその度に費用が発生してしまうことが難点ですね。
山北:50年来経営を続けている榊原石油さんですが、何か大変だったなと思う場面はこれまでにあったのでしょうか?
慎吾:主だって大変だったなということは特に無いのですが、挙げるとすれば家族のみで経営をしているということ。4人で7:30~20:00まで営業し、休日は日曜日だけという営業時間を考えるとやはり負担は大きいですね。二つ目は多くの方もそうだと思いますが、天災、やはり東海豪雨で大きな被害を受けました。あちこち水浸しになったことを記憶しています。地下のガソリンを貯蔵しているタンクが浸水してしまい、ガソリンと水が混合してしまったことがあります。
※東海豪雨(とうかいごうう)は、2000年(平成12年)9月11日 – 12日を中心に愛知県名古屋市およびその周辺(中京地区)で起こった豪雨災害(水害)。 東海集中豪雨とも言う。 都市水害の恐怖を実感させる大きな被害で話題になった。出典Wikipedia
慎吾:それと、消防法の改正に伴って地下にあるガソリンタンクの漏洩規制が強化されたことです。10年程前、ガソリンスタンドに限らず地下に燃料タンクを埋めている事業所は消防署に集められ、一括で説明を受けました。自社ではFRP(繊維強化プラスチック)による内面加工を行い、補助金も出ましたが、かなり経費がかかりました。地下タンクは構造によっても耐用年数に違いがあり、法改正前から重厚な構造になっているタンクは加工を行わなくても良い場合があります。
山北:これまででこの仕事をしていて良かったなと思う場面はなにかありましたか?
慎吾:自社はガソリンスタンドですが、もちろん給油業務のみを行っているわけではありません。「パンクした」「ガス欠になった」「エンジンがかからない」といった連絡が自社には日常的に舞い込んできます。そういったお客様のもとへ私自身が駆けつけて出張修理・出張給油を行い、直接的にお礼を言われるという場面も多くあります。そういった時はやはり嬉しい気持ちになりますね。それと先程も申し上げたのですが、自社は50年来経営を続けていますので、幼いころから知っているお得意さまも多く、そういった方がお見えになった際『頑張ってるな』という声をかけて頂けると一層の励みになります。
山北:日々のお仕事の中で何か心掛けていることはありますか?
慎吾:現状、HV(ハイブリッド車)EV(電気自動車)FCV(燃料電池自動車)の使用者増加、セルフ給油のガソリンスタンド進出に伴って販路が狭まっていると感じています。先程も申し上げたような出張修理や、自社内に関してはセルフでは行わないサービス。例えば、給油時の洗車作業等に注力して地元の方々が信頼して使って頂けるよう、ここを利用して頂ける一人ひとりのお客様に寄り添ったガソリンスタンドを目指していくことを心掛けています。
山北:最後になるのですが、何か半田商工会議所青年部に所属して良かったなと思えることはありましたか?
慎吾:いっぱいありますけど、まずは人とのつながりが多く出来たこと。今でもちょっと人間関係が苦手ですが、昔よりはそういった部分が改善されたのではないかなと感じます。副会長も経験させて頂いて、担当委員会の事業が成功した時は一委員では味わえない達成感があったことを今でも覚えています。
※半田商工会議所青年部では現在、様々な委員会が存在しており、副会長は会長の補佐及び担当委員会の管理を行っている。各委員会は各々の役割のもと、年間を通じて事業の開催や総会・懇親会の設営等を行っている。
委員長であれば自分自身でやりたいことをある程度自由に進めていけるのですが、副会長という立場上、会長の思いも汲み取りながら委員会のやりたいことに対して軌道修正を行っていかなくてはならず、中間管理職的な面もあって、そういった部分が難しかったように感じましたね。難しい役回りではありましたが、私自身も成長出来ましたし、何よりも楽しかったです。青年部では本当に色々な経験をさせて頂いています。
取材中は慎吾さんの人柄やご家族の仲睦まじさが垣間見え、非常に穏やかな雰囲気で時間が過ぎていきました。振り返ってみると終始笑顔で応対して頂いていたような気がします。
ご協力ありがとうございました!
榊原石油 ニュー半田SS
半田市昭和町2-31
営業時間:7:30~20:00
定休日:日曜日
TEL 0569-21-4507 / FAX:0569-22-4838
制作/著作 半田商工会議所青年部 総務・広報委員会
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